春の暖かな一日、3月9日
第17回卒業式が行われました。
1年生の時、6月に運動場で入学式を行った学年。
コロナで、いろいろつらい思いをした学年でしたが、
3年間の集大成として、221名の3年生で創った卒業式。
来賓の方も、とても整然として、素晴らしい卒業式であったとのこと。
式の最後に、学年全員が体育館の前に立っての合唱。
このメンバーで歌う最後の瞬間、
一人一人の気持ちが感じられ
涙があふれてくる時間でした。
保護者の皆様も、胸に去来するものがあったことと思います。
この素晴らしい仲間と先生と、ともに過ごした3年間。
とても思い入れのある学年のみなさん、ありがとう。
そして、それぞれの道へ、自信をもって歩んでください。
以下に、校長の式辞を掲載します。
卒業式 式辞
校庭の木々も新芽が伸び、春の息吹が感じられます。このよき日に卒業式を挙行できますことを、心から嬉しく思います。大庄中第17回卒業生として、本校を巣立つ221名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。本日は、尼崎市教育委員会、堀首席様が御来賓としてご臨席です。高い所からでありますが、感謝いたします。
さて、思い起こせば1年生の2020年6月2日、今も忘れない運動場で炎天下の入学式。家の帽子をかぶり、朝礼台から見たカラフルな帽子の姿は今も目に焼き付いています。小学校から中学校へと節目の大切な時、コロナ休校。けれど、216名全員が出席、一人一人の目が輝いていた入学式。私も大庄中に来たばかり、ともにスタートした緑学年はとても思い入れがあります。不安な気持ちを減らそうと先生達と取り組みましたが、コロナは拡大。授業、行事やクラブ活動など縮小を余儀なくされました。そんな中でも「今できることを目一杯やろう」とする子が多く、逆に励まされる時もありました。学校の外での活動は、1年半を経て2年生10月、姫路のモノづくり大学へ。トライやるの代わりでしたが、皆さんの熱気、熱心に作品をつくる姿に感動。中2の12月京都への班別行動。班ごとに任せて大丈夫かという心配をよそに、大庄中の歴史に残る、初めから最後まで自分達だけで校外学習を見事やり切った学年でした。
友達と仲のよかった君、逆にうまくいかず孤独を感じた君、おとなしくコツコツ取り組む君、富士急で雨に負けずはしゃいだ君、体育大会ソーランやダンスではじけた君、クラブに燃えていた君、引退試合に負け涙した君、朝正門で、また帰りも丁寧なおじぎをしていた君、よく遅刻した君、家の人に心配をかけた君、ケンカぱやかった君、でも本当は優しい君、トンネルをペンキで明るくした君、合唱一生懸命歌った君、給食係で元気な挨拶をした君、おじいさんのために活躍した君、放課後学習頑張った君、進路で悔しい思いをした君、校長室の面接で素敵な夢を語った君、一人ひとりの君の顔が浮かびます。「うまくはいかぬこともあるけれど、天を仰げばそれさえ小さくて」一人で涙を流した君、でも涙で知った痛みは、これからの君を間違えなく支えていきます。
ともすればバラバラに、そんな一人ひとりの違いを、一つにした取り組みを皆さんはしてきました。特に3年生でのソーランやダンス、合唱のクラス練習、互いに教えあい自分たちでやる姿が見られ、感動。勉強も、それぞれの進路に向けよく取り組む姿が。先生方と皆さんの対話、友達同士の対話、人と密にならぬようにと言われた3年間。逆に人と人とのつながりがこんなに力をくれるものと気づかされました。そして、何といっても家の方々の励ましが大きかったでしょう。 あなたの足に靴を履かせてくれた人は誰でしたか。いつか、自分がしてもらったのと同じく、大切な人の足に靴を履かせることのできる人になってください。
さて、保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。卒業する姿を見て、感慨もひとしおかと存じます。15年間支えられたご苦労に敬意を表しますとともに、コロナ対応で大変な中、学校へのご協力に感謝申し上げます。思春期で難しくもありますが、一人の人として頼れる存在にもなりつつあります。中学を卒業、新たなステージへ羽ばたきますが、「手は離しても、目と心は離さない」親子の絆をますます深めてほしいと思います。
最後に卒業生の皆さん、この場にいない卒業生も含め、先生や友達との別れは寂しいですが、4月から新しい道に進みます。友達と学び、励ましあう力の大切さを知る皆さんなら大丈夫、 Yes,I can.私はできる。自分の力で靴を履き、自分の足でそれぞれの道に力強く歩んでいくことを、大庄中の先生達全員で応援し、心から祈っています。卒業、おめでとう!
令和5年3月9日
大庄中学校 校長 佐々野 俊弥