朝会の話(平成24年9月24日)
尼崎市立小田南中学校
校長 平垣 新一
小田南中学校の439名の生徒のみなさんおはようございます。
2学期になって今日は2回目の朝礼です。長時間になることもありますので、気分が悪くなったら我慢しないでその場に座って下さい。
一つ目は「第5回 親から子へ・子から親へ」のはがき大募集の入賞作品を紹介します。
二つ目は「少年の主張全国大会」の作品を紹介します。
一つ目は「子から親へのはがき」の兵庫県内の中学1年生の女子の入選作品です。
ありがとう、いつも迷惑ばかりかけているのになかなか言えない「ありがとう」。たった5文字のことばなのに。友達に普通に言えるのに。いつも口げんかばかりしているけど、本当は大好きです。いつも、私のために注意してくれているのに、なぜか、口答えしてしまう。本当は、そんなこと思っていないのに。毎日一生懸命働いてくれているのに、なぜお母さん、お父さんの前では「ありがとう」が言えないのだろう。本当は毎日毎日感謝しています。
そして私の心の中は、いつも「ありがとう」でいっぱいです。いつか、お父さん、お母さんの前で「ありがとう」が言えたらいいな。
このはがきの中で、子どもが両親に心の中ではいつも感謝しているのに口に出して言えない。そうした気持ちを伝えるには勇気が必要です。自分を信じ勇気を出して下さい。
二つ目は「少年の主張全国大会」の作品を紹介します。
題名は「変える力」。青森県の中学2年生の男子の主張です。
一部内容を省略して紹介します。
ぼくの周りでは、こんなことが時々あります。理由もなく、人に体当たりをしたり、ものにあたったりする人がいます。そして、一番気になるのは、人を馬鹿にする言葉が、ひんぱんに聞こえてくるのです。「クズ」「キモイ」「死ね」などこんな言葉が、軽々と口からはき出されているのです。
そして、その言葉を発した本人は、何の悪気もなく、むしろ、言ってスッキリしたような顔をしているのです。「おかしい」そう感じました。言った人も、言われた人も、その空気を当然のように感じている周りも、どうして「ダメなことをダメ」と言えないでしょうか。これが当たり前になったら、世の中は恐ろしいことになります。
勇気を出して先生に相談しました。先生は本人と付き合わせて、話す機会を与えてくれ、注意もしてくれました。その後、相手は同じことをしなくなりました。
自分にいやなことをした人に、面と向かって気持ちを伝えるのは、本当に勇気のいることです。自分がされたことを「いやだ」と伝えなければ、その人は、一生気づかず、どんどんエスカレートしてしまうのです。だれでも変われるし、人を変える力を持っていると思います。正しいことが正しいと、まちがっていることをまちがっていると、声をだせない現状を変えていかなければなりません。決して、暴力や言葉という武器で解決してはいけません。自分自身が変わろうとする「心」、そして正しくない人を変えていこうとする「心」をみんな持っているのです。
一人一人が持っている「変わる力」は世に中を「変える力」と信じて・・・・。
私はこの主張の中で皆さんに考えてほしいことがあります。
一つは、勇気を持って自分にいやなことをした人に、面と向かって気持ちを伝えることです。
二つ目は、理由もなく、人に体当たりをしたり、ものにあたったりする人、また、「クズ」「キモイ」「死ね」など人を馬鹿にする言葉が、ひんぱんに聞こえてくることについては。勇気を出して先生に相談して下さい。
学校生活を楽しくすごすためには、みなさん一人一人が、正しいことが正しいと、まちがっていることをまちがっていると勇気を出して自分の気持ちを相手に伝え、また、先生に相談することです。
先生は皆さんからの勇気ある行動と相談をまっています。
宜しくお願いします。
今日は、勇気をもって「有り難う」と素直に言える人になってほしい。
自分自身が変わろうとする「心」、そして正しくない人を変えていこうとする「心」をみんなに持ってほしい。
以上で朝礼の話しを終わります。